猫とネコとふたつの本棚古典・伝承文学>「狐物語」 
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「 狐物語 」
鈴木覺・福本直之・原野昇訳
(すずき さとる、ふくもと なおゆき、はらの のぼる)

岩波書店 岩波文庫
2002年発行  NDC:951 フランス
ISBN:9784003750148 (4003750144)
Le Roman de Renart
登場ニャン物:ティベール(山猫)、ノーブル(獅子)、フィエール(獅子)

 

 

【推薦:管理人】

この本を「(猫の)古典・伝承文学」にジャンル分けするのは無理があるのだが、あまりに有名な民話なので他のジャンルへの分類は思いつけず、ご了承願いたい。

さて、「狐物語 Le Roman de Renart 」は、12世紀後半にフランスで生まれた。

作者は一人ではなく、「主要登場人物は同じでありながら、互いに緊密な脈絡のない、独立したいくつかの挿話の集まりである。しかもそれらはそれぞれ異なった時期に異なった作者によって作られたのである。」

そして、この岩波文庫版は、それらの挿話の「およそ3分の1に相当する15の話を選んで訳出したものである。」

狐のルナールは、どうしようもない悪党だ。常に他人を騙すことばかり考えている。言葉巧みに話しかけては、ほかの動物たちをとんでもない目にあわせて喜ぶ。

ルナールに騙されひどい目に遭うのは、一般に狐より強いとされる動物たち。狼や熊などだ。

中でも一番の標的は、狼のイザングラン。何度もルナールに騙されては、尻尾を失ったり大事なところを失ったりと、自分が死にそうな目にあうばかりではなく、妻のエルサンまで寝取られてしまう。相当おめでたい狼と言わざるを得ない。

熊のブランも騙されて人間どもに殴られ這々の体だ。

一方、山猫のティベールと狐のルナールはほぼ同格といったところか。
ティベールはルナールに騙されて尾を失ったりするが、ルナールもティベールに騙されて犬たちに噛みつかれたりする。

狐より弱いはずの雄鶏や四十雀などは、逆にルナールをとっちめることもある。
荒唐無稽な、知恵と知恵の化かし合いである。

中世ヨーロッパの物語だけど宗教色は無い。むしろお坊さんをバカにするような場面が多々出てくる。
当時の一般民衆の暮らしぶりが窺われ、馬鹿馬鹿しい中にも鋭い風刺が折り込まれていたりする。

主な登場人物(動物)は;

狐のルナールと、その妻エルムリーヌ
狼のイザングランと、その妻エルサン
山猫のティベール
熊のブラン
獅子王のノーブルと、その妻フィエール
雄鶏のシャントクレールと、その妻パント
穴熊のグランベール
その他、犬、大鹿、猪、牡牛、兎、烏、四十雀、小鳥、蝸牛、ほか多数。

収容作品は;

・ルナールの誕生と子供時代
・ルナールが荷車の魚を失敬した話
・ルナールがイザングランを出家させた話
・ルナールがイザングランに鰻釣りをさせた話
・ルナールが雄鶏シャントクレールを捕まえた話
・ルナールがティベールの尻尾をちょん切った話
・ルナールがイザングランの弟プリモーを坊主にした話
・イザングランがルナールを国王の宮廷に告訴した話
・ルナールが染物屋になった話
・ルナールが旅芸人になった話
・ルナールが烏のティエスランからチーズをだまし取った話
・四十雀とルナールの舌戦
・ルナールがイザングランを井戸にはめた話
・ルナールとイザングランの決闘
・ルナールの死

(2008.5.12.)

 

【紀伊國屋書店】→ 「 狐物語 」
【楽天ブックス】→狐物語

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